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書籍『笑える~こわい話』に書き写真を載せた、代々伝わる打掛(うちかけ)。
なぜか次女にだけ受け継がれてきたものだ。
それは、前世でわたしが自分自身の先祖だった時代から始まっていた。
先日、やっとその前世を思い出した。

その主人公(前世のわたし)の名は「お滝(たき)」
どうやら、7歳で生き埋めにされたようだ。
村が干ばつだったため、子供を数名いけにえにしたのである。
その1人にお滝が選ばれてしまった。

本来、いけにえは各家の長女、長男だったのだが、長女は病気がちだったため、腹違いの次女であるお滝が選ばれた。母はわたしを不憫に思い言い聞かせたのだが、お滝はそれを当たり前のように受け入れた。どこかでそうなることを知っていたのだろう。そう、お滝は霊感があったのだ。

自分が犠牲になれば村は助かる。母も喜ぶのだと受け入れていた。

生き埋めにされる前の晩、わたしは見たこともないほどのご馳走を食べさせられた。
そのなかでも甘い食べ物がうれしかったように思う。
夜も更け、腹いっぱいになったわたしはウトウトと寝てしまう。

どこからともなく、話声が聞こえる。
「お滝は気持ちが悪いことを言うから、生き埋めになってよかったよ」
「霊感があるというのは本当に気味が悪い」
そんな話を聞きながら寝ていたのだが、これは心の声を霊感でキャッチしたのかもしれない。
わたしは、それを聞いて怒りが芽生えた。
村のためと思っていたのだが、ただ気味が悪いので殺したかったのだと知り、メラメラと怒りが込み上げてきた。

次の日の夕方、儀式とともに数名の子供が生きたまま埋められていく。
泣き叫ぶ声が響き渡る。わたしは泣くこともなく、ただただ呪っていた。
土が体中にのしかかり、暗く冷たく息苦しい。わたしは呪いながら死んだ。

わたしは死んだ。
霊体のわたしは霊となって村をさまよい、呪いで村中を焼き尽くした。
村人たちはわたしの祟りだとして恐れた。
腹違いの姉は病気が良くならず、嫁に行けずにいたのだが、それもわたしの呪いだと言われる。
悩んだ姉の母親は霊媒師に解決策を聞いた。
「次女が嫁に行けなくて呪っているので、次女に打掛を作って供養するように」
その打掛のおかげで、長女は嫁に行けた。

それから、その打掛が代々伝わり、現在のわたしのところまでたどりついたのだ。
しかし、わたしの子には娘はおらず、次女がいないので、打掛を継ぐことはわたしで終わった。
そこで、なぜそうなったのかを霊視したところ、こんな前世を思い出したのだ。
前世のお滝を成仏させなければならない。怒りを収めなければならない。

わたしは、お滝と交信し供養をすることとした。
幼い彼女の気持ちを聞き、食べたかったものを食べさせ、ほしいものを買った。

用意できる範囲で、食べたかったものやほしいものを集めた。
赤い花はこの時期あまりないのでシクラメンで代用。
ビスケットなどその当時ないと思うが、チャネリングでお滝に聞くと「かあさん」というあのフレーズで欲しいと言われた。
お滝をわたしに取り憑かせ食べた。
それほどわたしは食べたくないのだが、お滝は特にビスケットを喜んだ。
打掛も燃やした。こうしてお滝は供養された。

最期にお滝は言った。
「葬儀を上げてほしい」
YouTubeで僧侶がお経を唱えている動画を見ながら、箱に入った人形で棺の代わりにして、葬儀のまねをした。お滝は形だけでも葬儀をしてほしかったようだ。
これで、お滝は死を受け入れた。天国に上がっていく。

もう、恨むことも呪うこともない。前世のわたしが癒された。

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