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2010年のことだったと思う。聡和(そうわ)が珍しく出張(霊視)鑑定に行くことになり、私もついてきてくれるように頼まれた。
相談者は独り暮らしの女性で、体調が理由で外出できないとのこと。

地下鉄で向かい、その女性の住むマンションの一室へ約束の時間までに着いた。
「はじめまして、よろしくお願いいたします」
広い居間に通される。ラグマットにテーブルが置かれ、座布団が敷かれていたのでそこに座る。
サロンでの手順と同じく聡和の鑑定が始まる。
私はそのあいだ、相談者の緊張をほぐすように雑談する。

――あれ? ワンちゃんがいる。
室内で飼われているパグだ。
私は動物が少しだけ苦手なので、気を使いながらチラチラとパグを見ていた。
おとなしいワンちゃんだった。

聡和が相談内容をひととおり確認してから、神にお伺いを立てるため精神集中を始める。
聡和が精神集中すると、いつも私は鳥肌が立つ。
そのとき、パグが聡和の背中によじ登ろうとした!
――おおお! ワンちゃん! 聡和がつながったのわかるのね!

聡和は苦笑しながら、
「私はパグがいちばん好きなんです。ワンちゃん、かわいい」
とつぶやいている。まんざらでもないようだが……。
――精神集中しづらいのね(笑)

無事にお告げを自動書記で紙に書き止め、相談者に解説する。
お告げは要点中心で、長い文章で来るので、聡和がていねいに言葉を選んで伝える。
――あっ! なんか来た! これは……嫌な感じ。なんだろ? すごく威圧感があって嫌な感じだ……。
相談者の体調を崩させている原因の霊が相談者の体に入った。

聡和は聞こえる霊感で、悪霊に気づいていない。
私は聞こえないが見える霊感なので、その悪霊に精神集中……しようとしたら、ワンちゃんが吠え出し、相談者の背中を前足2本でトンと押した!
何度も何度も押す! 押す! トン、トンと押す!
ちょっと右にずれて押す! 左にずれて押す!

――なにしてるんだろ? あっ……、相談者の体からなにかが出ていった……。す、すごっ……お祓い犬じゃん!
霊がいなくなると、パグは離れた場所でペタッと腹ばいになって休みながら、視線だけは飼い主を見ている。飼い主に悪霊が入ると、ダッシュで駆け寄り、また背中や少しずらした位置の肩甲骨辺りを押す!
鑑定が続くあいだ、何度も悪霊が来るので、そのたびにパグはお祓いをしていた!

――すごい……。こんな犬、初めて見た!
動物が苦手な私も、なんだかすごくかわいく見えてきた。
感心していると……、
――あっ! この犬……男性の霊が憑いてる。へぇ~、この男性がワンちゃんに憑いて飼い主を祓ってるんだ……。
私は目の前で繰り広げられた奇跡の真相を理解した。

私は思わず相談者に飼い犬の動作の理由を伝えた。
相談者はたいへん驚いていたけれど、ワンちゃんのお祓いに驚いただけではなく、ワンちゃんに憑いていた男性はその相談者にとって大切な方だったらしく、すでに亡くなっているらしい。相談者は感動して泣きだしてしまった。
パグはまた駆け寄り、飼い主をなぐさめている……。
私たちももらい泣き……。

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