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人形は魂が入りやすい。

わたしの幼い頃は病気だったので寂しがらないようにと、おばあちゃんが人形を買ってくれた。
その人形は、当時にすごい流行っていた、とてもリアルな人形だった。
あまりにもリアルすぎる人形に、わたしは「ちょん子」と名づけた。
なぜ「ちょん子」なのかは覚えていない。
基本的に人形は嫌いだったので、服を着替えさせるとか、髪をとかすとか、そういったことは一切せず、腕を持っては振り回し、気にいらなければ殴るという残酷な遊びをしていた。

これは人形からすれば虐待だね(笑)
そんなわたしは、人形に恨まれてもしかたないと思っていた。
人形はそんな過酷な状況にも数年間も耐え抜き、わたしは小学生になった。

ある日、学校から帰ると母が洗濯をしていた。
わたしは遊びに行こうとすると、母に呼び止められた。
「あんた、ちょっと洗濯物干して!」
「えええ~! めんどくさい」
と言いつつ、しぶしぶお手伝いをした。

—— あれ? ん、なんだこれ?
「ちょ、ちょん子!」
ちょん子がバラバラにされて洗濯されていた!。

—— 私よりひどいことしてる……。

「きれいになったでしょ」
と自慢げな母。

—— ま、確かにキレイにはなったけど、扱いはひどすぎないか?
せめて手洗いがいいと思うけど……。

「ねぇ、知ってる? 人形って魂が入るらしいよ。この人形は絶対あんたの魂が入るから、死ぬ時は一緒に焼かないとね」
「だったら、もっと丁寧に扱ってくれてもいいじゃん! 残酷だよ。化けて出てやる!」
そう言うと母は笑いながら、バラバラのちょん子を縫い合わせて元通りにした。

少しキレイになったちょん子は、よく見ると何だか以前より恨めしそうな顔をしていた。

—— 絶対、わたしたち親子の所に来たことを後悔してる。この中に私の魂が入るのは嫌だな……。

それから数十年もたち、実家に置いてあったちょん子は、わたしの魂が入る前に供養した。
今は天国で母と一緒にいることだろう。

「母はまた来たの!」と言ってそうですけどね(笑)

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