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わたしは幼い頃、病気だったために、甘いもの、しょっぱいもの、刺激のあるものは一切食べさせてもらえなかった。
いつも味のしないものばかり食べさせられていた。
ご飯はおかゆ、味噌汁は味噌汁の上の汁をお湯でのばしたもの、おかずはゆでた野菜と白身魚、豆腐……。
しかも、調味料はほとんど使えなかったから、すべて味なしのものばかりだった。
あまりにもかわいそうってことで、母が内緒でくれたたまごボーロ。
唯一のお菓子だったけれど、それも1日数個と限定されていた。

それでも、少しずつ回復してくると、やっとカステラバウムクーヘンをほんの少しだけもらった。
今でいうお砂糖たっぷりのカステラではなく、仏壇とかに上げる昔ながらの甘くない小さなカステラだ。
この頃からすでに供物をいただくという、半分死んでる子供だったようだ(笑)

幼稚園に入る頃には、やっとよくなって外食をすることになった。
初めての外食で、ワクワクしながらデパートの屋上のファミレスへ入った。
両親と姉、弟、わたしの5人で行ったのだが事件はそのとき起きた。
―― 何を食べようかなぁ~。
考える間もなく、母がお子様ランチとクリームソーダを注文した。
初めてだったから、何でもよかったわたしはワクワクしながら、落着きなく待っている。
「静かにしなさい!」
母にしかられたが、それでもワクワクがおさまらずチョロチョロしていた。
「いい子にした順番から注文来るんだよっ!」
と母に言われた。
―― えっ、そなの? こりゃ大変!!
すぐにおとなしく待つ。
「お待たせしました!」
ウエイトレスが姉の注文を持ってきた。
「ほらね、いい子が先でしょ~」
と母が得意顔で言った。
―― くっそ~、次こそわたし!
しかし、届いたのは父の注文だった。
父はすかさず得意げに言った。
「ほらね~」
納得いかないないまま、次に弟の注文が届く。

残されたわたしは、母とわたしの一騎打ちに火花が飛び散った。
「はい、お待ちどうさまでした」
―― あっ! やったぁ、わたしのが来た!
得意げに母を見ると、急にわたしのクリームソーダが倒れた!
「あああああ~」
―― クリームソーダが倒れた。お母さんが倒した!
悔しかったからか、はたまた偶然かはわからないが、母がわたしのお子様ランチに手を出してその手がクリームソーダにぶつかり倒れた。
「あんた、何やってんの。こんなにこぼして……」
―― えっ? なんで? こぼしたのお母さんじゃん!
なんで怒られるのかわからず、わたしは泣きわめいた。
「うわぁ~ん」
そこからは、もう何を食べたかもわからず帰った。

帰り道、母は小声でわたしに言った。
「さっきは、あんたのせいにしてごめんね」
そして、悪かったと思ったのか、こっそり私だけにお菓子を買ってくれた。
こうして私は、とばっちりを受けるとお菓子を買ってもらえることを覚えたのだった(笑)

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