
生前の母のそばで、ふと母のにおいが気になったことがあった。
たぶん普通の人がかいだとしても、わからないほどの微妙なにおい。
私にとっては懐かしいような、すこし汗と体臭が混じったようなものだ。
嫌なにおいではないものの、よいにおいでもない。
そんな、よくわからないにおいが私からもすることに気がつく。
—— 母のにおいと同じだ……。
いつしか、母と同じにおいを出していた。そう感じていた時、急に思い出した。
—— そういえば、昔、息子が汗だくで公園から帰ってきたとき、同じにおいがした。
なんだか懐かしいにおいに息子を思い出す。
自分から出ているにおいで息子を思い出す。
親子ってそんな見えないものでつながっているんだと感じた。
だからこそ、どんなに会っていなくとも親子だとわかるんだろうな。
見えないにおいに癒され、思い出し、つながりを感じる。
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