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普通が普通じゃないのつづき

次の日の学校で、昨日の友達の家のことを話した。
3人の友達がわたしを囲む。
まずは、品のいい母親が手作りのマドレーヌとジュースを出してくれたこと。
興味津々に聞いている友達。
わたしは、つかみはOKとばかりにオチを話し出す!
「ポテチとコーラ、初めて食べたんだって! あはは~」
ここで爆笑! と思ったのだが、笑っていたのはわたしだけだった。
「あれ? おもしろくない? 初めて食べたんだよ」
無言の3人。沈黙が続く。気まずい……。
「あ、あのね、紗依は……」と話し出した一人の友達。
「なに?」
「わたしの家にもポテチとコーラ持って来てくれないかな?」
「えー! まさか、食べたことないの?」
3人は少し恥ずかしそうにうなづいていた。

まさか、3人とも? 驚いた、驚いた、おどろいた! わたし一人がアウェイだったとは思わなかった。

そのあと、一人の友達に頼み込まれ再びポテチとコーラを持って自宅へと訪問することになる。

豪邸のお家にはお手伝いさんがわたしを迎え入れた。
案の定、お手伝いさんが3段になった皿にマカロンを並べて持ってきた。
ジュースは見たこともないフルーツ盛りだくさんのトロピカルジュースだった。

マカロンを一つ、二つつまみ、ジュースを飲んでいると
「そろそろ、わたしの部屋へ行きましょう」と友達が急かす。
わたしは後ろ髪を引かれながら食べかけのお菓子を放置して部屋へと向かう。

だだっ広い部屋に連れ込まれ、ポテチとコーラを彼女へ渡す。
彼女はワクワクしながらポテチの袋を開けて食べ始めた。
そして、微笑みながらコーラを飲みだす。
満足そうに散らかしながら、わき目も降らず食べている。

—— あ~、わたしはマカロンとトロピカルジュースのほうがいいんだけどなぁ~。

わたしの思いは届かず、彼女は満足そうにたいらげていた。
そのあと、特に何かしたわけでもなく帰ることにした。
—— わたしはポテチとコーラの運び屋じゃないんだけどなぁ~。

豪華な玄関で「おじゃましました」と言い、帰ろうとした時だった。
「これどうぞ!」とお手伝いさんが差し出した紙袋。
「え? なんですか?」
「お土産です」
どうやら、わたしのお土産にプチケーキを焼いてくれたようだった。
「また、遊びに来てくださいね」と友達が言う。
わたしは苦笑いでごまかして家を出た。

お嬢様学校に通っていたということをつくづく思い知らされた。
何が普通なのか、常識が何なのかがよくわからなくなってしまう経験だった。

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