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幼いころ、クリスマスになると母の仕事関係者からクリスマスケーキが届いていた。
当時、母の和裁のお弟子さんが住み込みでたくさんいたので、クリスマスケーキはすべてホールで、チョコレート、バタークリーム、生クリームの計3台、アイスケーキはチョコ、ストロベリー、バニラの計3台、これらの総計で6台は届く。
(ケーキはホールで数える場合、1台、2台というらしい)

さすがに冷蔵庫に入り切らないので、北海道ならではのベランダ自然冷蔵庫に保管。
これを、仕事の合間の何度かに分けて、1ピースずつ頂く。

初めはとてもうれしいのだが、さすがに毎日となると見るだけで嫌になってくる。
当時はまだアイスケーキが珍しかったので、勢いよく平らげたものだが、いつからか、いつもデロデロに溶けるまでゆっくり食べるようになり、溶けたら食べ終わったことにして、台所で流してしまっていた。

見かねた母が、
「もう、食べないなら、もらわないから!」
と激怒したのだが、それにすら無関心になっていた。

クリスマスが近づくと、
――― また恐怖のケーキ地獄が始まる。
そう心の中で思っていた。
チャイムが鳴り、宅配便が届く。
――― やっぱりケーキか……。
わかっていたから私は玄関に受け取りに行かず、弟に受け取らせた。
幼い弟はケーキを受け取ったのだが、それがケーキだとわかっていなかったのか、すぐに箱を落とした!
「あっ……」
見事に逆さまになった箱。呆然とする私たち……。
「それケーキだよ!」
と言うと、弟は泣き出した!
慌てて駆け寄ってきた母。
「どうしたの! あっ……。そ、そんなに嫌ならもう捨てるから!」
と、怒鳴る母。
私たちは慌てて謝った。しかし母は怒り狂い、ケーキを捨ててしまう。
子どもながらに悪いことをしたと泣きながら反省したのだが、私は見てしまった。

怒りながらも、どこかホッとした母の横顔を……。
もしかすると、母ももうケーキは嫌だったのかもしれない(笑)

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