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以前、ジュエリーの展示会でイベントコンパニオンをしていた。

友だちに紹介されたイベントコンパニオンの仕事は、黒スーツ姿で一日中、立ちっぱなしの警備だった。
無言のまま、ただただ宝石が盗られないよう見張り続ける。
もちろん休憩はあったものの、ほんの数分。しかも、朝8時半集合、そして終わり時間が夜の9時。
そのあいだ、2回のお弁当が出たが、3階の会場から階段で7階の休憩室へ移動し、15分ほどで食べ終えて、また階段で戻るというハードなものだった。
最初はすぐにクタクタで足はパンパンに!
でも慣れてくると、時給も良かったのでなかなかやめられないお仕事になった。

他のイベコンさんとも仲が良くなったのだが、なにせ休憩が短すぎるので世間話もできない。
仕事中は私語厳禁のため、私としてはそれが苦痛だった(笑)

そんなある日、あるイベコンさんが意外と近くに配属された。
私語厳禁なため話はできないのだが、なんとなく気になる。
我慢しきれずなんとなく見ていると……、彼女の後ろに黒いオーラが!
—— えっ? なに? まさか……。
私は嫌な予感がした。

次のイベントでも再び彼女が隣に立った。
私は気になっていたので時折、視線を向けていた。それに気づいた彼女が、すれ違いざまに小声で言った。
「何か見える?」
私は驚いたが、何も言えずそのまま気になりつつも答えられないでいた。

それから数日後、何度かイベントが行われたのだが彼女と遭遇することはなかった。
私はこの仕事を紹介してくれた友だちに訊ねてみた。すると、病気で休んでいるという。いやな予感がまた走る。
その日、仕事を終えると教えてくれた友だちが私のところへやってきた。
「彼女、亡くなったって!」
私はどこかでそれを予知していたので、それほど驚くことはなかったのだが、それよりも、彼女は当時32歳、しかも結婚したばかりだったので、さぞかし心残りだろうと思った。

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