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オープニング・スタッフ」の続き……。

いよいよオープン!
「おはようございます!」
ブルーな気持ちを吹き消すように元気よく挨拶をすると、店長が元気なく1枚の紙を渡してきた。
—— なに? オープン割引券? えっ?
「これ、やるんですか?」
「やるよ……」
「でも、ふたりでできますか?」
「そだよ。てか、ほとんど君がやるんだけどね」
よく割引券を見てみると、オープン記念につきまして、ファーストドリンクサービス!
—— ええ! ひとりなのにできるのか?
さらに! ランチにいらしてくれた方10%割引!
「ラ、ランチ? ランチもやるんですか?」
「あ、それは、かみさんとやるから、君はたまに手伝ってくれればいいよ」
「昼も夜も無理です!」
「ま、よろしく!」
まったく私の話を聞こうとしない店長。
情報を事前に言う気がないのか、まったく無謀にもほどがある。

あっという間にオープンの時間となった。
「いらっしゃいませ!」
チラシの効果でかなりの人が訪れた。
まずはお客様の席移動とオーダーにフル回転。ドリンクを作るものの、まったく間に合わない。
パニック状態で店長に叫ぶ「店長! ドリンクだけでもお願いします!」
返答のない店長を見ると、汗だくですごい形相だった。
—— 私よりテンパってる……。
しかたなく、お客さんにお詫びを入れながら仕事をこなす。
気づくと、すごい修羅場が終わったのが朝の5時だった。
もちろんこの間は休憩などまったくなかったので、体はヘロヘロになっていた。
「す、すみません。閉店3時ですよね……。今5時ですけど、これ全部片づけるんですか?」
「悪いけど、よろしく!」
山ほどある食器を私はぐったりしながら片付けた。
「遅くなったから送っていくよ……」
店長が私に告げる。時計を見ると朝の7時だった。

ヘロヘロな体をどうにか動かし車から降りる。
「明日もよろしく、あ、もう今日か……」
「え、今日もですか? オープンまでじゃないんですか?」
「何言ってるの。君が辞めたら店できないだろ! 誰か入るまでだよ!」
「……」
「じゃ! よろしく!」
あまりの疲れと、驚きで返す言葉がなかった。
—— 数時間後には、また過酷な闘いが始まる……。

(続く)

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