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あれは、わたしがまだ小学校低学年の頃、母の和裁のお弟子さんたちが集まって話していた。
「ひょうたん島の喫茶店の店員いい男だよね」
「そうそう、やさしそうだし、色男って感じ!」
「みんなでまたコーヒー飲みに行こうか!」
「行こう、行こう!」
キャーキャーワーワー騒ぐお弟子さんたちの話を聞き、わたしもどんな人か見てみたいと思った。

近所にできた喫茶店「ひょうたん島」は、若者のたまり場になっていた。
幼いわたしにはまだ早すぎるので、行く機会もないのだろうと思っていた矢先に声をかけられた。
「紗依! ちょっと来て! ジュースご馳走してあげるから」
向かった先はあの「ひょうたん島」だった。
正直、なんでわたしも行くのか見当がつかない。
ただ、ジュースという誘惑に負けてついていった。

初めて入る喫茶店は少しおとなの香りがした。いや、たばこの臭いだ(笑)
みんなが噂する色男の店員が私に注文を取りに来た。
「何になさいます? お嬢さん」
メニューを見せられ、どうしていいか戸惑う。
「お薦めはグレープジュースだよ。それでいい?」と、店員は素敵な笑顔で微笑んだ。
子供ながら、これはみんな惚れちゃうわと、思った。
みんなの会話は全く意味がわからない。
グレープジュースを飲みながら周りを見渡す。
「退屈だよね」やさしい店員に声をかけられる。
わたしに気を遣ってくれるやさしい店員に思わず「ほれてまうやろー」と思ったほどだ(笑)
わたしはこの店員の名前を知らないので、このときからわたしの心の中で「グレープ」さんと呼ぶことにした。

このあと、喫茶店に呼ばれることはなかったので、グレープさんとはもう会えない。
この1回限りの喫茶店デビューはなぜ誘われたのかわからずじまいだった。

数か月後……、隣に住む老夫婦が亡くなり家を貸すこととなった。
「これからよろしくお願いいたします」
とあいさつに来た夫婦は「ひょうたん島」のオーナー夫婦だった。
と、いうことで、店員のグレープさんもよく隣に来ることとなった!
「会いたいな」と思うと引き寄せちゃったようだ。
もちろん当時は引き寄せなんて知らないから、偶然だと思っていたけどね。

これがわたしの初引き寄せかな?

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