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昔、わたしは占い師をしていた。

もともと、占い師にはなりたくなかったわたしは、生活のためにしかたなく占い師の仕事を選択した。
とはいえ、本当にやりたくなかった。だから、友達だけ鑑定していた。
それでも、友達の紹介で勝手に口コミが広がり、次々と依頼が入ってきてしまう。

友達の紹介のなかに、一人の若い男がいた。

最初は知り合いの店で鑑定を済ませた。
「また、何かありましたらご連絡くださいね」
いつものように挨拶を交わして別れた。

次の日、またその男から依頼が入った。
わたしは昨日の今日で何かあったのかとすぐに依頼を受けたのだが、急だったためにファミレスで応じた。
相談内容は昨日と同じような内容だったが、料金をもらっているのでにこやかに鑑定を終えた。

次の日、また連絡が来た。
鑑定の依頼だったが、さすがに3日続けてでは気味が悪い。
わたしは理由をつけて鑑定日を延ばした。

数日後、再度鑑定依頼が来たのだが、さすがに1週間に3回は多過ぎる。
電話で鑑定内容を聞いてみた。しかし、鑑定内容が同じ繰り返しだった。

「それでしたら、もう少し日にちが経ってからご相談ください」
と伝えて、やんわりお断りした。

しかし! 次の日もまた連絡が来た。
さすがに怖くなったのでお断りしたのだが、どうやら今度は友達を紹介したいという用件だった。
そういうことならと友達を紹介してもらう。

数日後、時間どおりに待ち合わせ場所に行くと依頼者がいた。
「こんにちは」
「こんにちは!」
元気に返事が返ってきたのはそのストーカーの男だった。どうやら同席するようだ。

鑑定が始まり、ストーカーの視線をガンガン受ける。
—— ストーカー君にガン見されてる。怖い!
あまりの怖さに早めに切り上げて退散した。

次の日、またまたストーカーから連絡が来て、違う人を紹介された。
前日と同じ条件で鑑定が始まる。
—— いやぁ~、ガン見はきっついわ! しかし、これはなんとなく変だな?
鑑定が終わり、紹介で鑑定を最初にした人に連絡入れて聞いてみることにした。

「あの、同席で鑑定を受けられましたが、紹介されたみなさんがそうなのですが、わたしのことはどのような感じで紹介されていたのでしょうか?」
「先生とあいつはつきあってるんですよね?」
「え? つきあってませんよ!」
「そうなんですか? 俺の女だから
占い料金は俺が払うというので、鑑定受けたんですけど」
「彼が鑑定料払ってたんですか!」

だから同席鑑定でも何も言わなかったわけだ。
金を出してもらって席を外してとは言えないだろう。

わたしは頭に来て、すぐにストーカーに電話を入れた。
「ちょっと、どういうつもり! あなたとはつきあってないでしょ!」
「どうせ、これからつきあうんだからいいじゃん!」
「はぁ?  いつ、そんなこと言ったのよ。いいかげんにしてよね!」
大喧嘩となり、それからしばらくは連絡が来なかった。

忘れかけた頃にメールが来た。

「君がどう思おうと、俺は君を待ってる。まずはお金をたくさん稼いで君を迎えに行くよ!
なので……、
手っ取り早く稼ぐためホストになります。たくさんの女にモテモテになるけど、やきもちは焼かないように……。
俺は君だけを思って頑張るよ~」

—— きもっ! あんたは白馬の王子かっ! もう~、勝手にホストでも何でもやってよ。お願いだからもう、わたしにかかわらないで!

完全にメールは無視、削除した。
もちろんそれからの依頼も連絡も受けることなくいたのだが、自宅マンションの下には数日うろうろしていたのを何度か目撃した。
あまりにもしつこいので「警察に通報しますよ!」というと、やっとそれからは見かけなくなった。

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