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チュナック(1)のつづき

お客の話を聞くと、数日前に母親が亡くなったらしい。
それで、最期まで親孝行できなかったと悔んで泣いているようだ。
〈おまえ、こんなとこで飲んでないで、ちゃんとしなさい!〉
と突然、頭の中で聞こえた!
いや、わたしが勝手にしゃべってる!
お客は、ボー然とわたしを見る。
「あんたが言いたいことはわかったよ。だからちゃんとしなさい 」
―― え? 何言ってるのわたし! どうなってんの?
お客はそれを聞いた途端、再び大泣きしだす。
「かあさん……」
―― えっ? てことは……、わたしにお母さん乗り移ってる?
しばらく話して、お客は落ち着き、わたしも自分に戻った。
「あんたさ、母さんに会ったことないよね?」
「あるわけないじゃないですか」
「かあさんとまったく同じ言い方するから驚いたわ。でも、うれしかった」
お客さんはすっかりご機嫌になって、私の手を取った。
「ありがと~ありがと~」
そう言いながら帰っていった。
―― いったい、わたし何をしたの? 状況はわかるけど不思議!
こんなことはめったにない貴重な経験だけど、とにかく、はぁ~疲れた。

ほかにだれにも見られてなくってよかったわぁ~。
見られてたら、すぐ、クビになっちゃただろうな。
まぁ、その後、すぐやめたけどね。
貴重な体験でした(笑)

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