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スナック」のつづき……

いつの間にか、店は客で満席になった。
—— まだ早い時間なのにこんなにたくさんの人?
接客で水割りを作ろうとしたら言われた。
「あ、水でいいから!」
―― 水? 水でいいの?
この人だけかと思ったが、ほとんどの人が水を注文する。
私は不思議に思い、ママに尋ねた。
「あの、ここの水は何か特別なんでしょうか?」
「え、やだ、あんた! ただの水よ。お客さんのほとんどがお年寄りで病気だから飲めないの!」
「え、水でお金頂いてるんですか?」
「そうよ、売上上げるためにもあなたが飲んでよ」
「サヨちゃん、お水ください。あ、サヨちゃんはビールどうぞ!」
あちこちで、お酒を勧められる。
私はビールをグラスに注いでいるとママが近づいてきた。
「何してるの? あなたのはこれよ!」
烏龍茶の上にビールの泡だけ載せたスベシャルドリンクを渡される。
「ビールだともったいないからね。うちではこれがビールだから!」
あまりのことに驚きのあまり何も言えなかった。
ビール泡載せ烏龍茶はまずい。こっそり飲まずに捨てていた。
「じゃ、そろそろ帰るわ」と一斉に客が引き始める。
もうそんな時間かと時計を見るとまだ22時だ。
「ありがとうございました」
ママがお店を閉める。
「あの、まだ22時ですけど」
「うちは、お客さんのほとんどが病人だから22時閉店なのよ」
これまた驚いた。
確かに客のほとんどが70歳を過ぎていたが、まさかの閉店22時とは思いもしなかった。
しかも水と泡載せウーロン茶。ここまでくるとコントのようだ。
これはスナックとは言えない。
まさにスナックのまがいものの「チュナック」だろう(笑)

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