
数年前の出来事……。
マンションの外壁工事で窓の外には足場が組まれ、ベランダは隣との境界線の壁を取り外していた。
夏だったので、蒸し暑くなんとなく窓を開けたかったのだが、さすがに隣との仕切りがないと怖いので窓を開けずにクーラーで涼んでいると……、真夜中になにやら音がした。
――ん? なに? こんな時間に工事の人はいないはず……。
気になったので、音のするベランダへ行き、のぞきこむ。
すると、9階なのにベランダで人影がっ!!! スーッと右から左へと歩いていった。
――うわっ!! れ、霊体!!!
怖いもの見たさで、ついついベランダを開けてしまう。
すると、その人影が戻ってきた!!!
――う、うわぁ~!!!
「こ、こんばんは……」
驚きのあまりなぜか真夜中に挨拶する私。でもその人影はそれを無視して通り過ぎていく。
――ん?
隣の認知症のおばあさんでした。
いやいや、霊体よりこわかった!!!
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