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2回目の離婚をして間もない頃、私は住んだことがない場所に慣れるため、散歩に出掛けた。
割と近い所でリサイクルショップを見つける。

小さなお店には店主の女性がおり、私を愛想よく迎え入れた。
私は話すでもなく店の中を見て回る。
すると、何かを感じる。違和感のような何とも言えない感覚。
気になりつつも、いろいろな客が出入りしているので、その日は帰った。

しかし、私はそのことが気になり何度かそこへ訪れた。
何度目かで店主の後ろに人影を見る。集中すると、それはそこの先祖霊だった。
〈あなた、私がわかるのでしょ? この人に伝えてほしいことがある〉
その霊は店主に伝えてほしいと私にしつこくせまった。
そう言われても困る。私は見えないふりをして帰ろうとしたのだが、しつこく引き留められた。
―― チャンスがあれば伝える。
しかたなく、心の中でそう伝え、その日は帰った。

―― もう、あのリサイクルショップに行かなければ巻き込まれない。
と考えたのだが、先祖はしつこかった。
しぶしぶ、お店へと向かう。めずらしくほかの客はいなかった。
—— これは言えってことかな?
様子をうかがいながら私はタイミングを見計らう。
「あの、あのですね、突然変なこと言いますけど、事情はよく分かりませんが、どなたかここに霊能力者さんとかここに出入りしてますか?」
「え? 急に何ですか?」
「いや、あの、ご先祖様からの伝言で、なぜかは分かりませんがそういうかたがもしもいるなら、かかわらないようにと言いまして……」
「あなたも霊能力者さんなの?」
「い、いえ、私は違いますけど、わかっちゃうというか、頼まれちゃうんですよね。霊体に……あはは」
店主は人が来ないのを幸いに、話が聞きたいと店を閉めた。

店主の旦那様は病気で寝たきりとなり、自宅介護をしながらリサイクルショップをやっていた。
介護がたいへんでいいことが何もなく、悩んだあげく霊能力者に見てもらったらしいのだが、毎月多額の請求をされ、困っていたらしいのだ。
そんなときに、私から先祖の伝言を告げられ、店主はすぐにその霊能力者と手を切ることを決めた。

こうして、私は先祖の伝言を告げたので店主も先祖も納得してもらったのだった……のだが。

(つづく)

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