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八百屋体験(1)のつづき

次の日、出勤するとYさんが忙しく駆け回っていた。
お客様がいるわけでもないのに、慌ただしく険しい顔で動き回る。
「あ、そこに突っ立ってないで仕事して!」
「はい、でもお客さんいないので……」
「お客はいなくとも、仕事山ほどあるでしょ!」
そう言うと早口で仕事を説明された。

前日はスムージーだけ作ればいい仕事だと思っていたのだが、なんと下準備をするようだ。
八百屋に並べられていたであろう少し傷んだ果物や野菜をどっさりと渡された。
「これ、いいところだけ取って冷凍して」そう言われた。
「こんなにですか?」
「悪くなるまえに処理しないと腐っちゃうでしょ」
しかたなく、果物や野菜たちを調理し冷凍することにした。
「あんた、何やってるの! もったいない、多少の痛みは大丈夫だから」
「えー! カビとか、よけないと……」
「食べれるかどうかはあなたが食べてみて。ダメだったら捨てて」
「全部、味見するんですか?」
「もちろん!」

こうして、傷んだカビぎみのイチゴやキーウイ、バナナやオレンジを味見しながら選別した。
かなり傷んでいたものもあったので、吐いてしまったこともある。

―― こんな仕事、無茶すぎる。これじゃバイトみんな辞めちゃうよね。

(つづく)

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