
昔、占い師をやっていた時のお話。
口コミだけの人の紹介のみでやっていた。
勝手にうわさが広まり、友だちの友だちの友だち……と、もう誰の紹介かさえもわからなくなっていた。
男性の依頼者Kさんの鑑定が終わって、別れのあいさつをした。
「また、何かありましたらご連絡くださいね」
それから数日もたたないうちにまたKさんから再び依頼が入る。
普通に鑑定を終え、再びお別れ……。
すると、次の日またKさんから依頼が入った。
さすがに、1週間で3回は多すぎるので電話にて鑑定内容を確認。
「あの、会ってから話します」
「同じ内容でしたら、お金がもったいないので電話で内容を確認させてください」
なかなか話しださないKさん。
どうにか聞き出すと、言いまわしは違うものの鑑定内容は同じだった。
「同じような内容ですので、もう少し日にちがたってからご相談ください」
そう伝えて、やんわりとお断りした。
しかし、次の日またKさんから依頼が入る。
「あの、ですから……」
「い、いえ、私の鑑定ではなく友だちの鑑定依頼です!」
「失礼いたしました」
私は数時間後、お友だちの依頼を受けることにした。
待ち合わせ場所へ行くと、Kさんと依頼主が待っていた。
「こんにちは、鑑定を始めますが……。Kさんと同席でいいのですか?」
依頼主は少し困った顔をしていたのだが、しぶしぶ承諾した。
鑑定中……、視線が気になる。Kさんがずっと私をガン見していた。
—— 気持ち悪っ。でも気にしない、気にしない……。集中、集中!
自分にそう言い聞かせ冷静さを保つが、あまりにも気持ちが悪いので早めに終わらせた。
「ありがとうございました」
そう依頼者にお礼を言われ、終了。
次の日、またKさんから依頼が入る。友だちを紹介したいと言うので受ける。
こんなことが、それから何日もたたないのに何度も続く、あまりにもおかしいので初めに紹介された人に連絡を入れてみることにした。
(続く)
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