
気になる天ぷら屋がある。
天ぷら屋といっても、高級店のたたずまいではなく、まるで食堂のような庶民的な店なのだが……。
カウンター越しに50代と思しき(おぼしき)男性が、ガラスで狭く囲まれた専用の鍋で天ぷらを揚げている。
順番に揚げては、客を回ってひとつひとつ皿に載せていってくれる。定食としてオーダーする安い料金だが、天ぷらは常に揚げたてだ。ご飯、味噌汁、キムチ、塩辛もセット料金という太っ腹な店である。天ぷら6点盛りで720円というから驚きだ。
天ぷらを揚げているのはたったひとり。次々と急いで揚げては、客に回って揚げたて天ぷらを配る。
そのたびに「え゛~~これが~~いもですね~~」とだみ声で具を説明する。
「いらっしゃいませ~~いらっしゃいませ~~」とずっとしゃべっている。
「え゛~~これが~~え゛びですね~~」
――ん……? どこかで聞いたことがあるようなイントネーション……。
疑問に思いながら、揚げたてを次々といただく。
――あっ! わかった! パチンコ屋さんだ! パチンコ屋の店員がマイクで呼びかける話し方とおんなじだ!
この天ぷら職人の前職はパチンコ屋店員であることはバレバレ!
それからはその話し方が耳から離れず、おかしくておかしくて……(笑)
安い天ぷら屋だし、長年天ぷら屋で修業した感じには見えないから、パチンコ屋のほうが長かったのだろう。到底、天ぷら屋で覚えた話し方とは思えない。染みついてしまった訛りはなかなか取れないだろうから……。
って、いくらなんでもパチンコ屋のアナウンス口調は、インパクト大でも笑いこらえるのたいへん!(笑)
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