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過酷な闘い」のつづき……。

忙しい日々のなか、慣れてきたので休憩がもらえることになる。
休憩場所は2階の奥にある屋根裏部屋だった。
—— へ~、こんなとこあったんだ!
ひとりずつ交代で、私がいちばん先に休憩に入る。

屋根裏部屋に入り辺りを見渡す。
—— あ、ここ蔵だったんだ……。あれ? なんか嫌な感じ! 窓がないからかな?
誰かに見られているような違和感だった。
—— だ・れ・か・に、見られてる?
ゆっくりと後ろを振り返る。
—— あっ……。
後ろに男の人がボーッと立っていた。
驚きのあまり声も出ない。私は後ずさりで部屋を出る。
急いで階段を駆け下りスタッフの女の子に告げる。
「で、でた! あの、でた!」
「え? なにが?」
「休憩室に、で、でた男!」
「あ、やっぱりね」
「え、知ってたの?」
「知ってました。いるから怖くて辞めたんです」
「そう、知ってたんだ……。え、だったら教えてよ!」
「だから怖いので私は休憩はしないんです」
「えー!」
スタッフ含め店長もその存在は知っており、知らないのは私だけだった。
—— だから2階には誰も近づかないんだ!
変なところで納得したのだが、私も怖いのでそれからは休憩しなかった。
しかし、男の霊は私に気づいてしまったので蔵を抜け出し、私に付きまとった。

しつこいので、男の霊と話す。
—— あなたは、だれ?
〈私はここのオーナーだ!〉
この男の霊体は以前ここで商売をしていたらしい。
死んだことに気づいておらず、成仏できずにここにとどまっているようだ。

—— こんなんじゃ、この店、長くもたないな……。
そんなことを考えながら仕事をこなす日々が続く。

それからすぐに、男の子が店長とケンカをして辞めた。
次の日、女の子が体調不良で辞めた。
結局、私と店長でやることとなった。

しかし、こんな日々は長くは続かない。
数日後店長から突然電話が入る。
「原因不明の体調不良で入院する」
突然の電話に驚きつつも、いつかはこうなることがわかっていた。

店は閉められたまま2週間が過ぎた。
これ以上は休めないということで、店長が無理矢理、店を開けるが体が動かず店じまい。
その日、今までのバイト代をいただき、お店は閉店することになった。

—— その後、あの幽霊はどうしただろう?
気になったので、新しいお店がオープンした時に行ってみることにした。

(続く)

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