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平成から令和に変わる日、あなたは何をしていただろう。
私は長年の親友の栞(しおり)と約20年ぶりの再会をした。

思えば栞と初めて会ったのは、中学校の入学式の日だ。
受験で受かった学校に知り合いがひとりもおらず、緊張しながら教室の指定された自分の席へと着く。
無言の緊張感の中で、私は前の席の子に話しかけた。
「友だちにならない?」
栞は突然の私の言葉に驚きながらも、うなづいてくれたのを私は今でも覚えている。

それから私たちは仲良くなった。
同じ部活に入り、お互いの家に遊びにも行った。苦楽を共有していた。
進級して同じクラスではなくなっても、私たちの親友関係は続いた。
決してベッタリとした関係ではなかったが、心のどこかでお互いに分かり合える存在となり、言葉ではない通じ合う想いがお互いにあった。
高校を卒業してからは、栞が東京へと移住し、なかなか会えなくなってしまう。
会えない時間が少し心の距離を作ってしまう。私は心配をかけてはいけないと考え、会えた時は自分の苦しい状況を話さず、幸せを演じた。それでも、栞とつながっていたのは、いつかすべて話せる時が来ることを私は待っていたのかもしれない。

今年、栞から突然連絡が来た。4月30日(平成最後の日)に会う約束を交わす。

当日、私は長年、会っていない親友に会うことに緊張と興奮をしていた。
待ち合わせの場所に少し早めに着く。早めにもかかわらず彼女から「もうすぐ着く」とメールが届く。
まるで長年、会えなかった恋人を待っているかのような気分である。
もしかしたら、彼女も私と同じような気持ちだったのかもしれない。

「紗依……?」
そんな消えそうな言葉に、私は彼女を見て言葉にできない感情が込み上げた。
彼女の目に涙が光っていたのを見て、私は思わず彼女を抱きしめた。
一瞬、時が止まる。昔のままの彼女を私は感じ取っていたのだ。
言葉では伝えきれないお互いの気持ちが重なる。まるで前世の再会のように……。

ここから私たちの平成最後の長い一日が始まった。

私はこれまで、栞にスピリチュアルのことを話してはいなかった。
心の葛藤があるなかで、私は意を決して打ち明けた。もちろん、受け入れてくれることなど期待せずに。
栞は半信半疑で聞きながらも決して否定はしなかった。どれをどう信じ何を半信半疑なのかはわからないが、私は、彼女に理解してほしいとは望まず、ただ、ありのままの私の嘘のない真実を彼女に知ってもらいたいだけだった。

終電近くまで話し続けた。もちろんすべてを伝えきれるはずもない。

「最後に、あなたはどんな自分になりたいの?」私は彼女に問いかけた。
栞は少し考え込んでから、こう言った。「一人でも、私に出会えてよかったと思われる人になりたい」
私の琴線に触れた瞬間だった。なぜなら、私もまったく同じことを思って生きてきたのだ!
何とも表現できない、一瞬なのに永遠のような、私の中の時が止まる。

「あの、話は尽きないけど、また次回に……」栞の言葉に私は我に返る。

別れ際、私は伝えきれない想いで言葉に詰まった。終電が迫る。私は彼女とハグをした。
「まるで恋人同士みたいだね」という彼女。
「そうだね」と私は答えながら、私は心の中でつぶやいていた。
—— 私はあなたに出会えてよかったよ……。

改札口を通った栞は何度も振り向き手を振る。下る階段に差し掛かると後ろ向きのまま「おやすみ~」と彼女は言いながら大きく手を振り、ホームへと消えていった。
彼女がどんな顔をしていたかはわからないが、私はまた会えることを願って叫んだ。「おやすみ~」見えない背中に向かって手を振った。ふたりは同じ想いだった。

—— 平成最後に会えてよかったよ。

その後「栞からメッセージ」をもらった。

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