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数日前、友達に誘われて食事に行くことになった。
お店は友達が決めてくれたので、仕事が終わったあと車で迎えに来てくれるという。

夕方、午後6時過ぎには用意を済ませて待っていた。
午後7時となり、さすがに遅いので連絡をしてみるものの返信がない。
それから30分たって電話をかけてみたが、相手は電話に出なかった。もう行くのをやめようかと思った。
「お腹すいた……」
連絡が取れず、腹が減って、腹が立ってきた。
それでも、もしも迎えに来て、行くことになるのならば、今、家で食事をしてしまうわけにはいかない。
どうしようかと半分あきれて、もう行くのを断ろうとしたところで、連絡が来た。

「着いたけど!」
私は慌てて外に出る。
車に乗り込み、友達にちょっと嫌味っぽく言った。
「もう今日は行かないのかと思ったよ」
「なんで? 行くに決まってるでしょ」
遅れておきながら謝ることもなく逆ギレされ、ちょっとびっくり。
結局、出発は午後8時になっていたので急いでお店に向かう。
「どこ行くの?」
「ご飯食べに!」
この返答に友達が怒っているのかと思い気を使う。
—— なぜ私はこんなときでも気を使って怒ることができないのだろう。
いつも怒るタイミングを逃してしまう。
お腹がすいていたので余計なことを言わないように無言でいると、なかなかお店に着かないので疑問に思った。
「まだ着かないの?」
「少し遠いから……」
弾まない会話の中で私は思った。
—— こんなことなら、来なきゃよかった。

やっと到着したお店に私たちは急いで入った。
店主が不機嫌そうに言った。
「予約のかたですか?」
「はい」
友達が答えると、不機嫌にメニューを渡された。
オーダーの時、店主が「うちは9時までだけど大丈夫?」と聞いてきた。
時計を見ると、すでに午後8時50分だったのだが、間髪入れず友達が淡々と答えた。
「大丈夫です」
そういえば、車の中で友達の携帯が何度も鳴っていた。
私は気になり友達に「出なくていいの?」と聞いたのだが「運転中だから!」と言って、ずっと鳴っている携帯を取らなかった。もしかすると、ここの店主からの予約時間が過ぎているという電話だったのではないだろうか?

すごい勢いで調理をしたのか店主はすぐに食事を運んできた。
急いで口に放り込むと、すでに作ってあったのか料理が冷めていた。
—— まずっ! こんなことなら来るんじゃなかった。
友達を見ると、おいしそうにゆっくりと食事を楽しんでいた。
「あの、もう9時過ぎてるけど、急いで食べたほうがいいじゃない?」
「予約してたんだから大丈夫だよ!」
店主はイライラ全開で私達が食べ終わるのを見ている。
食事が終わるか終わらないかのうちに店主が「片付けていいですか?」と急かす。
食器を片付けるときに店主が首を傾げ、チッと舌打ちしたのを私は見逃さなかった。
そんなに嫌なら、入る前に予約時間過ぎてるからと断ってほしかった。
それを、売り上げのために受け入れたのだから、ちゃんと接客してほしいものだ。

急いで食事を済ませ、席を立とうとしたときだった。
友達がのんきに言い出した。
「デザートよろしくお願いします」
この食事にはデザートが付いていたのだ。
店主は時間も過ぎていたので出す気はなかったようだったが、あきれながらしかたなく急いで作ったデザートとコーヒーを出す。
私は店主が気にかかり話もせずに黙々と食べた。
相変わらず友達はのんきに食べている。
元はといえば、友達が遅く来たからこんなことになっている。
予約時間も過ぎて連絡も取れなかっただろうと推測すると店主の怒りもわかる気がする。
早く帰ってほしいのか、まだ食べ終わらないうちに代金を請求される。
私はお金を支払おうと金額を聞いた。友達は1万円を出して言った。
「とりあえず端数出して!」
私は言葉に従った。
—— 誘ったのは友達だし、遅れて悪いと思ったからおごってくれるのかな?
「後で支払うね」
一応、そう伝えた。
お金の支払いを済ませたので、少しは時間の融通が利くのかと思ったのだが、早く帰れとばかりに店主が看板をしまい、店内の照明を薄暗くし、さらに店主自身がコートを着て帰る支度をし始めた。

さすがの私も気まずいので出ようとしたのだが、友達はのんきに食べ続けている。
この空気感に耐えられず私は席を立った。
「お手洗いどこですか?」
店主に尋ねると、私をにらみ返し無視した。
何ともいえない空気に私は耐え切れず、自分で見つけたトイレで怒りを抑えた。
友達はまったく気にもせずのんきにデザートを食べている。
やっと食事を終え店を出る。出ると同時に店主が店のカギをかけた。
「ありがとうございました」のあいさつもなく、店の前の電気も消えていて足元がよく見えない。

今さらながら、私の心の中では怒りが爆発した。
たいしておいしくない料理、無頓着な友達、対応の悪過ぎる店主。
ぶち切れそうな気持ちだったのに、それを出すことができなかったからだ。
私は悶々とする気持ちで車に乗っていた。降りるとき腹が立ちながらも友達に聞いた。
「そういえば、お金いくら?」
「あっ、気持ちでいいよ」
「気持ちって、言われても困るな。いくら払えばいい?」
「じゃ、2000円でいいわ」
—— え、こんな嫌な思いして請求するの?
しかも、割り勘どころか、さっきも払ってるの含めたら私のほうが多く払ってるじゃん!
腹が立ちながらも私は支払いを済ませ車を降りた。
「また、行こうね」という友達。
私は引きつり笑いで車を見送った。腹が立っていたのに言いたいことがまったく言えなかった。
またしても、私は怒るタイミングを逃してしまったのだった。

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