BLOG

親友の栞(しおり)と会った日、どんな話からしたらいいのか入念に考えていたのに……なぜか私は、学生時代に亡くなった友だちのことを聞いてしまった。

「あのさ、高校生のとき白血病で死んだ子いたよね、覚えてる?」
「ああ、うん。覚えてるけど……」
「あの子、なんていう名前だった?」
「えー、覚えてない。私よりもその人と仲が良かったのは佳乃(よしの)だよ!」
「そうなんだ!じゃ今度佳乃に会うことがあったら聞いてみようかな……」
こんな会話から始まったのだが、後日、このことを覚えていてくれた栞は学生時代の別の友だちに、その子の名前を確認して、私に教えてくれた。

この亡くなった子の話は『笑える~こわい話 第2巻:予言された奇跡』の中の「旅立つ友」に書かれている。
本では亡くなった人の名が思い出せないのに、なぜか私はその子の名を「Mちゃん」と書いていた。
しかしながら、栞から教えてもらった名前のイニシャルがMだったのだ!

こんな偶然あるのかと体中に鳥肌を立たせながら、この驚きを伝えようと聡和に話した。
「へ~」そんな声をもらしながら聡和は驚きの表情をしていたが、突然、聡和がその子に繋がった!
「来た! 成仏してる。あ、メッセージがある!」
聡和はそう言ったとたん、泣き崩れた。
「私を書いてくれてありがとう。あなたに会えてよかった……。あの頃がいちばん楽しかった」
「え、えええ! Mちゃん? 私に、言ってる?」
彼女の感情を私も受け取り涙ぐむ。とても穏やかで柔らかい空気が漂った。
「今はお母さんのそばにいる」
Mちゃんはそう告げるとスッと姿を消した。

聡和は我に返り、言った。
「私の感情じゃない。Mちゃん、生きた証を書いてくれて喜んでた」
突然のことに聡和とふたりしばし呆然となる。
よく考えてみると、それほど仲が良かったわけではないのに本で書いたのは不思議だった。

しかし、そんなことよりも私は思った。「あなたに会えてよかった……」
この言葉は私がそう言われる人になりたいと願っていた言葉だ!
もはやこの世の人ではなくあの世の人にまで言われたことにただただ驚く。
この時、私は彼女とあの世の親友になれたような気がした。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。