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新潟へ嫁いだときのお話。
当時は、初めて住む街になじめず知り合いもおらず、ただただ夫だけを頼りに嫁いだ。

仕事が忙しく、ほぼ家にいない夫。しかも、週末はいつも実家へと出掛けてしまう。
なぜか、実家へは連れていってもらうことはなかった。
その真実はかなり後から知ることとなるのだが……。

そんな頃に起きたラブストーリーだ。

初めてのバイト先で出会ったのが、雪が融け始める季節だった。
短期のバイトのため2か月あまりの勤務で終わってしまったのだが、一緒になったメンバーと仲よくなり、いつしかみんなで飲みに行ったり、カラオケに行ったり、ランチに行ったりと楽しく過ごした。
孤独だったわたしにはとても心強く楽しい日々だった。

しかし、メンバーそれぞれが忙しくなると疎遠となってしまった。

わたしは高熱を出す。
夫に伝えて病院へ連れていってと頼んだのだが、あっけなく却下され、家に置いていかれた。
わたしは一人、不安の中で熱と戦う。寝ているのか起きているのか分からないほどの高熱。
助けを求める人もおらず、ただただ空しさと戦う。そんな時にメールが届いた。

「久しぶり。何してる?」
バイト先で楽しく過ごした男性からだった。
「高熱で死んでる」
「ご主人は?」
「仕事でいない」
すぐに電話が鳴った。
「大丈夫? 病院は?」
「行ってない」
「連れていこうか?」
「でも、悪いからいいよ」
「高熱なんだろ。何度ある?」
「40度くらいかな?」
「えー! これから迎えに行くよ」
すぐに電話を切り、彼は車で迎えに来てくれた。

病院に着くと、彼は動けないわたしを気遣ってくれた。
診察した先生が彼を呼んだ。
「かなりの高熱なので、即入院してください」
完全に夫だと誤解されたようだ。
彼が事情を説明している中で、わたしに解熱剤を点滴した看護士が言った。
「いい旦那さんですよね」
まったく話を聞いていなかったのだろうか。追い打ちをかけられる(笑)

動けないわたしを彼は心配してくれた。
「何か必要なものある?」
さすがに家に行って持って来てもらうわけにもいかないので、別のお願い事をした。
「申し訳ないけど、主人に連絡してもらえるかな?」
彼は快く承諾して主人に電話を入れてくれた。
数分後、彼は再び戻って来て怒りながら言った。
「仕事忙しいから来れないって、いったいどういう神経してるんだ!」
「そうなんだ……」
解熱剤が効いてきて、意識がもうろうとする中で聞いていたわたし。
「ご主人が来るまで、ついてるよ」

目が覚めると、彼がいた。
すでに夜になっていたようだが熱がまた上がり意識がもうろうとしている。
「大丈夫?」
遠くで彼の声が聞こえるが、よく分からない。再び眠りに入っていく。

また目が覚める。
「大丈夫か?」
夫だった。
どうやら朝になっていたようだ。
「これから仕事だから、よくなったら一人で退院して!」
そう言い捨てると部屋から出ていった。

唖然とした。何が何だか分からない。
先生が来て言った。
「とりあえず検査しても問題ないので熱が下がったら退院していいです」
退院するため会計を済ませ病院を出る。

「大丈夫? 送っていくよ」
彼が車でわたしを待っていてくれたようだ。
わたしはありがたく厚意に甘えた。

「ご主人とうまくいってないの? あまりにも冷たいよね」
わたしは何も言えなかった。
「あの、もしかしてずっとついててくれたんですか?」
「朝方ご主人が来たから、すぐ病室出たけどね」
「すみませんでした。いろいろとありがとうございます」

彼には大変お世話になった。

このことがきっかけで、わたしたちは2人だけで会うようになっていった。

(つづく)

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