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30代の頃のお話。
20代はずっと主婦をしていたから、ほとんどお酒は飲めず、私は下戸だと思っていたのだが、30になって少しづつお酒を覚え、いつしか飲めるようになったころだった。

そのころはほとんどひとりでは飲みに行ったことがなかったのだが、なぜか大人ぶって「ひとりでカウンターに座りお酒を飲む」ということをやってみたく、ススキノにひとりで繰り出した。

とはいえ、どこへ行けばいいのだろう?
さすがに飛び込みでは怖すぎる。考え抜いた末、私は友だちに電話で聞くことにした。
すると、意外な返答。

「これから、行くわ!」
「それは、ちょっと、困る!」
「なんでよ!」
「だって……」
さすがの私も、やってみたいことがあるとは言えず、彼女が来ることになってしまう。
―― まあ、今回はいっしょに行って、そのあとまたひとりで行けばいいか!
お気楽に考えて彼女を待つ。

数分後、彼女が到着しいっしょにバーへと向かう。
バーは女性のバーテンダーだけのいい感じのお店だった。
―― これならひとりで来れそう。

彼女と飲みながら盛り上がっていると、右からスーとグラスが流れてきた。
―― え、なにこれ?
戸惑っていると、バーテンダーのお姉さんが、
「あちらの方からです!」
と、グラスのお酒を勧めてくれた。
「え、こんな映画みたいなことあるんですね」
と驚く私に友だちは爆笑。
私はありがたく頂こうと思ったのだが、なんとなくタダで頂くのは気が引けると思い、飲まずにそのグラスをそのまま右のほうへとスライドさせた。

スーとグラスが流れて元の男性に届く。
ビックリした男性は一瞬なにが起きたかわからないようだったのだが、急に大爆笑した。
「あんた、おもしろいね!」
笑いながら私たちに近づいてきた男性は紳士的に名刺を私に渡す。

―― なに、なに? ○○オーナー?
その人はこの店のオーナーだったのだ。

私は決してふざけたのではないことを告げた。
オーナーは笑いながら、
「わかりました。ではもう1回!」
と、お酒をカウンターで流し、ふたりにご試走してくれた。

映画みたいなことって実際にあるんだと思ったけれど、オーナーだからできるんだよね(笑)

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