
京都で有名な桜の神社があると知り、お客様に連れて行ってもらうことにした。
桜の神社は平野神社といい、中心部からは少し遠い所にあった。
バスに乗り、途中で乗り換え、案内人が次のバスの時刻を見るのに時刻表をのぞき込むとバスが到着した。
「あ、これです!」
慌てて飛び乗り、案内人となったお客様がラッキーだと騒いでいた。
「なんか『急いで来い!』って言われてるみたいだよ」
と伝えると、案内人は驚いた顔をした。
「本当ですか?」と何度も聞いてきた。
無事に平野神社に到着すると、もうすっかり桜の時期は終わっていた。
「残念ですね」
案内人が言った。
「大丈夫、咲いてるから」
とわたしが告げると、不思議なことに1本だけ桜が咲いていた。
案内人は驚きを隠せずにいた。
「なんで、なんでわかったんですか?」
と何度も私に聞いてきた。
神社には、参拝客がいなかった。
「すみません、参拝されますか?」
社務所の人が声をかけてきた。
「はい」
「あと10分で閉めますのでお急ぎください」
慌てて、中へ入り参拝できたのだが、だから、バスに乗るときに急がされたのだと気づいた。
神社が閉まるので帰ろうとすると、
〈待って!〉と神様に呼び止められた。
呼び止められたのでしばらくその場で集中。
暖かいものに包まれ歓迎された。
左手がピリピリとしてきて何かのエネルギーが手から出た!
神社を閉める人が来たので場所移動。
お守りが欲しくて社務所へ行くと残念ながらもう閉まっていた。
人が出入りしていたのでその場でしばらく待つ。
何かを感じるので集中していると、社務所の人が来た。
「あっ、お守り欲しいんですけど」
「もう終わってるから、すみません」
と、あっさり断られた。
がっかりしながら、後ろを振り向くと、青い袴姿の男の人が立ってた。それは古い霊体のようだ!
その男を見ていると桜の香りがしてきた。
桜の精霊のようだ。
少しずつ香りは薄くなり、いい香りと共に男は消えていった。
まだまだ、居たい心地よさだったが、後ろ髪を引かれる思いで帰ることした。
京都の平野神社の桜の精霊はまだいるだろうか?
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