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かなり前に初めて居酒屋のバイトをした。
面接では厨房皿洗いで採用になったはずなのだが、気づくとホールで走り回ってた。
その居酒屋はけっこう大きく、厨房とホールとで20人ほどの従業員がいた。
それでも人手が足りないのか、わたしは厨房から宴会小上がりを任される。
初めての飲食店のバイトなのに、すごく忙しいところに回され、緊張と戸惑いの毎日だった。

数日後、30人の宴会が入った。
なのに、その日に限って休みの人が多く、結局わたし1人で30人の宴会を任されるはめになった。

もう、これは、これは大変で目が回る忙しさだった。
慌ただしい中で子供が急に飛び出してきた。
「トイレ~!」
と叫んで走りだす!
わたしは危ないから止めようとした。
「バタン!」
という大きな音とともに何かが倒れた!
何が何だか分からない間に、
「ブシュー」
と音がして周りが煙に包まれた!
どうやら消火器が倒れて店中に煙が蔓延しているようだ。

泣き出す子供。騒ぎ出すお客。
店内大騒ぎとなり、客たちがパニック状態となった。

とりあえず、来店客全員避難させて帰ってもらい、従業員みんなで片付けすることになった。
店の中は消火器の噴煙で真っ白。呆然とするスタッフたち。気を取り直して片付ける。

「紗依さん! 社長が呼んでるよ」
社長の部屋へ向かう。
「失礼します」
「君が消火器倒したんだって? こんな大変なことになったんだから損害賠償を請求します」
「違います! 子供が走ってきて倒したんです」
「子供が? その子はどうした?」
「帰しましたけど……」
社長は苦虫を食べたような顔をしながらブツブツ言っている。
わたしは空気が悪いので、そそくさとその場と立ち去る。
社長は従業員を次々呼び出し、まるで取り調べをしているようだ。
わたしの疑いは、たまたまその現場を見ていた人がおり、証言してくれた。
危うく損害賠償払わなきゃならないところだった。

しかし!
後から警察が来て、消火器の点検の人が現場検証したところ、倒れたくらいじゃこんなことにはならないらしいことが分かった。
ではなぜ?
聞くところによると消火器期限があり、それが切れていたようだ。
つまりは、暴発したということ!

一番近くにいたはわたしゾッとした。
まあ、ケガがなくてよかったが、それこそ子供にケガさせていたらと思うと怖い。

それなのにわたしが疑われ、しかも煙をかなり吸い込んで声が出なくなり散々でした。
わたしが損害賠償請求したいくらい。

ちなみに、その居酒屋はその後すぐになくなってしまった。

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