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憑依のつづき

携帯電話が鳴る。目を覚まし出てみる。
「もしもし……、おれ!」
ガラガラの声でおれと言った人が分からず、携帯を見直す。
元旦那だった。

「え? どうしたの?」
「おれ、入院してるんだ!」
ガラガラの声でよく聞こえない。
「その声どうしたの?」
「あ、だから、入院してるんだ!」
入院=コロナかと思って聞いてみると、どうやら違うらしく、ホッとしたのだが事態はそれ以上だった。
「喉頭がん! そう、つんくと同じ喉頭がん!」
ガラガラの聞きづらい声で元旦那はそう言った。
昨年末にがんと告知され、今年に入ってすぐ入院。抗がん剤投与でだいぶ声が出るようになったらしい。
「いつ手術になるか分からないから声出るうちに電話した」
ガラガラの声が重大さを感じさせる。
遠くに住んでいるのでお見舞いもできず、申し訳ないこと告げると、コロナで病院のお見舞いはできないらしい。
いつ退院できるかも分からないらしい。

あまりの驚きでなんて言っていいやら、わたしのほうが声が出ない状況となった。
「お大事に。退院したら教えてね」
とだけ告げて、電話を切る。

数日前から来ていた生霊は元旦那だと分かった。
胸の痛みも、肩の痛みも、彼が持っていた持病だ!
急に死んでもいいと思ったのは彼の感情をキャッチしていたのだろう。
夜中に出掛けたこと、無意識に以前住んでいた家の近くに行ったこと、彼はお酒が好きで毎日飲んでいたから、お酒が急に飲みたくなったことを考えると、わたしは生霊に憑依されていたことになる。

生霊がだれか分かってよかったのだが、大変なことになっていたので複雑な気持ちになった。

元旦那は遠くにいるので住所も知らない。
会社経営してるようだが会社名も知らない。
家族もおらず一人で心細いはず。なんだか他人事でないような気もした。
もしも、亡くなってしまったらわたしに連絡してくれる人もいない。

何とも言えない複雑な心境だ!

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