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初めて秋田に行った時のお話。

秋田の駅について、お土産か何かを買おうと駅前をぶらついていると、後ろから3歳くらいの女の子がついてきた。
「あれ? ママは?」
女の子はニコッと笑うだけで何も話さない。
周りを見ても、それらしい人は見当たらない。まあ、人が多いのでどこかにいるのだろうと思ってそのまま買い物を続けた。

買い物を済ませ、後ろを振り向くと、さっきの女の子がついてきていた。
「おうち、近くなの?」
すると、女の子は指をさした。
「なんだ、近くに住んでるのね。じゃあね」
と、お互いに手を振り女の子と別れた。

何となく視線を感じ振り向くとまた女の子がついてきていた。
しかたなく、女の子に声をかけた。
「おうち、わかる?」
女児は大きくうなずいた。
家まで送っていこうと決め、女の子の指さす方へと向かう。

進むと、どんどん道が分からなくなってきた。
女の子も疲れて座り込む。女の子を抱きかかえ歩く。
1時間近く歩いたのだが、まったく着く気配がない。

わたしは交番を探すことにした。
道行く人に交番を訪ねたのだが、だれ一人答えてくれることはなく、知らん顔で通り過ぎる。

—— わたし、怪しいのだろうか?

自力で交番を探す。
交番は見つけることはできなかったが、警察署を発見!
急いで警察に駆け込み事情を説明。
すると、親切に保護して連れていったのに、誘拐したと疑われてしまう。
再度、事情を説明し、身分も証明して解放された。

—— やれやれ、観光で来たのに散々だよ!
「じゃ、わたしはこれで失礼します」
と帰ろうとしたとき!
「ママァ~!」と、女の子が泣き出す!
—— なに!?
「本当はあなたのお子さんじゃないですか!」
「ち、ちがいます!」
女の子はわたしにしがみついて離れない。
「あなたと似てますよ……」
「えー、本当にちがいます!」
この状況では帰れない。さらに疑われ警察は帰してくれない。
保護者が見つかるまで警察に引き止められることとなった。

すっかり日も暮れ、夜にやっと母親が見つかった。
わたしは母親に会うこともなく解放された。
秋田観光などまったくできずホテルへと戻る。
秋田の一日台無しとなり、明日は帰る予定である。

次の日の朝、母親からお礼の連絡が来た。
バーゲンセールに夢中になり子供がいなかったことに気づかなかったらしい。
わたしが観光で来ていたことを警察で聞いたようで謝られたのだが今さら遅い。
時間がなかったのでお土産を買う暇もなく秋田を発った。

数日後、見知らぬ人から贈り物が届いた。
迷子の子の母親から菓子が届いた。
メッセージには短い言葉が添えられていた。
「大変ご迷惑おかけしました」
とだけ書かれていた。

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