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夏なので、怖いお話。苦手な人はスルーしてね。

あれは、かなり前の暑い夏の出来事だった……。
友人が結婚したので、新居へと友だち数人でお邪魔することになった。
閑静な住宅街にあるマンションの3階。窓からは山が覗き、自然がすぐ目の前にある場所だ。
人通りがないので、窓を開けたままでも、騒音ひとつしない。

友だちそれぞれが仕事終わりに集まってくる。
夕飯を食べながら、少しずつ人数が増え、話もどんどん盛り上がっていった。
気づくと時計の針は午前0時を回り、そろそろ帰ろうかという話になった。
ピンポ~ン。
夜中のチャイムに、なぜかみんながビビる。
「だれ?」
インターホン越しに最後の来客が映る。
「もう! 遅いよぉ~」
玄関まで、みんなが迎えに出た。
「ごめん、ごめん。残業でさ!」
最後の来客がそう言いながら居間へと入っていく。
私は最後に玄関の鍵をかけ、居間へと戻る。

せっかくだからと、再びみんなで盛り上がった。もうすでに終電などない。
心の中で何時に帰られるのか心配になりつつも、若さゆえそんなことは軽いことだった。

「あれ? ねえ、なんか変じゃない?」
ひとりが言い出す。
「何が変なの?」
興味津々でみんなの目が集中した。
「なんかさ、なんとなくだけど変だよ!」
「ねえ、紗依はどう思う?」
—— え、今? 私に振る? どうしよう~。異変には気づいてたけど、言うべきだろうか……。
どう答えようか困る私をみんなが注目する。視線が言葉を待っている。
私は意を決して言うことにした。
「あのね、ここに幽霊がいるんだよね……」
「きゃあ~!!!」
異常なほどの奇声で、さっきまでの和やかな雰囲気が一気に凍りついた。
「だ、大丈夫! さっき私が玄関の鍵かけたから大丈夫!」
興奮するみんなをなだめながら話を続ける。
「ここは玄関から窓に向けて霊の通り道になってるんだよね」
説明をすればするほど空気が凍っていく。
「じゃ、本当にさ、そ、それが本当なら見せて見ろよ! その霊!」
ビビりながら大声で私に怒鳴ったのは彼女の旦那さんだった。
かなり怖いらしく、奥さんから離れない。
どうしたものかと悩む間もなく、それぞれが幽霊話で盛り上がっていく。
集まった人たちは私に霊感があることを知っている人がほとんどいなく、怖さのあまり攻撃的になる人もいた。
—— まずい。こんな幽霊話をしていたら、どんどん幽霊が集まっちゃう。
霊体は幽霊話が大好きなのだ。私はどうにか霊体と波動が合わないように努めた。
しかし、何度かやめさせようと話題を変えるもまったく聞いてはくれず、どんどんエスカレートしていった。

時計の針は午前2時を指した。
「私、そろそろ帰りたい」友だちの1人が言った。
「そうだね。そろそろお開きにしよう」
ガチャ!!
玄関の鍵が開く音が響いた。
「なに?」
急に玄関の扉が開き、突風と共に目にも留まらぬ速さで、白い玉のような物体がベランダへと抜けていった。
「うわぁ~! きゃあ~!!」
もう大騒ぎだ!
暑さのため開けていたベランダには、霊が通り抜けた余韻でレースが異常なほどなびいている。

「あ、あれ、お、俺……」
腰を抜かす主人。もはや言葉が出ない。
泣きながら抱き合う友だち。
私たちは帰ることもできず、朝までその場を離れることができなかった。

—— それにしても、なぜ鍵が開いたのだろう?
「本当に霊がいるなら見せろ!」という言葉に霊が反応したのだろうか?

霊を信じないかたも決してこのようなことは言わないようにね。

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