BLOG

ブログを書いていて、歩けるようになって間もないころのことを思い出した。
お寺にある階段を上ったり下りたりしたような記憶がある。
とはいえ、小さな私は何段も上れるわけではない。
なんとなく、段数がたくさんあっただけの記憶だ。
そんなどうでもいい記憶をもちながら、古いアルバムをめくっていたら……、あった。階段を上る私の写真が。
でも、よくよく見ると、階段ではなく、お墓だった!
そう、私は他人様(ひとさま)のお墓を上ったり下りたりしていたのだ。
もちろん、お墓ということは知るはずもなく、無邪気に階段を上っていただけなのである。
でも、よく考えるとそこまでひとりで行ったとは考えられず、写真をよく見ると、当時、家に住み込みで働いていた母のお弟子さんらしき人物が写ってるではないか!
—— じゃ、この写真、だれが撮ったの?
当時はお弟子さんはひとりだったから、だれが撮ったのかという疑問が出てきた。
もちろん、母は仕事をしていて、私がいると邪魔になるのでお弟子さんに子守をさせていたらしい。
そんな事情でいっしょに行くことはありえない。不思議に思いつつも、だれにも確かめることができなかった。

小学校に上がり、再びこのお寺によく行くようになった。とはいえ、もうお墓では遊ばない。
お寺の門をくぐると、長い真っ直ぐな階段が続いており、その上にお寺の入口があった。
私は友だちとその階段で当時流行っていた。「あきすとぜねこ」という遊びをする。じゃんけんをして、グーはグリコ、チョキはチョコレイト、パーはパイナップルと言いながら、勝った人が階段を上っていく遊びだ。早く上がり切ったほうが勝ちとなる。
そんな遊びを友だちとしていると、そこの住職がお寺から出てきた。
とっさに、怒られると思った私は遊んではいない素振りをする。
「どこの子だい?」住職にそう聞かれ、思わず素直に答えてしまう。
「ああ、あのお墓でよく遊んでいた子だね」住職は私のことを知っていたようだ。もしかすると写真もこの住職が撮ったのかもしれない。
「ここで遊んでもかまわないけど、お化けが出るかもしれないよ」
遠回しにここでは遊んではいけないという、住職の計らいに気づきながらも、私は平気で遊ぼうとしたのだが、友だちがビビって帰ってしまう。
—— やっぱり、お化けは怖いのね。
このころの私はすでに見えない存在とも遊んでいたのでお化けはそれほど怖くはなかった。
ひとり、お寺の階段に置いていかれ、たたずむ。
—— どうしよう。ひとりでなにして遊ぼう。
階段に座りこみ、考えるがいい案が思いつかず、結局、帰ることにした。

もしかしたら、このころより階段だけに怪談が好きだったのかもしれない。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。