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かなり昔のお話……。
私の実家の隣に独り暮らしのお婆さんが住んでいた。
そのお婆さんは私のことを孫のようにかわいがってくれた。

ある日のこと、お婆さんは知り合いと旅行に出かけ、私にお土産を買ってきてくれた。
いつもは、食べ物をくれることが多いのだが、このときは大判のハンカチだった。

なんとなく気になりつつ……、数か月が経ったころ、お婆さんは急に体調を崩し病院へと運ばれた。そして、そのまま亡くなったという。

―― あのハンカチ、形見になっちゃった……。

数日後、なんとなくリサイクルショップに入り、興味津々でなにか面白いものを探していると、ふと目に止まったものがあった。

―― これ、お母さんにいいかも? あげよう!

手にしたものは和装バックだった。
「はい、プレゼント!」
「なに? 珍しい。こんなこと、ほとんどしたことないから気味悪いね(笑)」
そういうと母は和装バックを受け取る。
「えっ? なに、なんで? どうしたのこれ!」
「なにって、リサイクルショップで見つけて、お母さんにいいかなと思って……」
「これ、私がリサイクルショップに出したんだよ!」
「えっ? マジ!」
驚いた。こんな偶然があるんだと、思った矢先!

「これ、隣の死んだお婆ちゃんからもらったものなんだよね」
母はもう使わないからと出したらしいが、なぜ戻ってきたのか不思議がっていた。

それから、私が帰宅すると隣の家の前に人影を見かける。
気味が悪いので目を合わせないように急いで家に入るのだが、毎日帰宅すると立っているので、気になりよく見てみると、伏せていた顔が見えてきた……。

―― あっ、隣のお婆さんだ!
怖さのあまり、急いで家へと駆けこむ。
「どうしたの?」
母が聞いてきた。
「と、隣のお婆さんが! いた!」
「はぁ? なに気持ち悪いこと言ってるの!」
母は、聞きたくないのか、怖いのか、すぐに私から離れた。

私はそれから毎日帰ると隣の家の前に立っているお婆さんに遭遇した。
しかし、ずっと立っているだけで動かないお婆さん。私は話しかけてみることにした。
「あ、あの……」
しかし、お婆さんは微動だにせず、ただ立ってしゃべらない。私のことは見えていないようだ。
それから、数日後お婆さんは消えた。ちょうど四十九日のことだった。

―― あのお婆さん……。なにしてたんだろう?
謎のまま、お婆さんはもう現れることはなくなった。
表紙の写真のハンカチがいただいたハンカチだ。和装柄で、今でも大切に保管している。

ちなみに、以前に書いたブログ「タロットカードがジプシー」に出てきたタロットカードもこのリサイクルショップで購入したものだ。不思議なリサイクルショップだったが、今はもうない。

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