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(「先祖の伝言」の続き)

数日後、リサイクルショップに立ち寄ったが、店内をのぞくとたくさんの客がいたので、中に入らずに帰ろうとした。
「あ、先生! この間はどうもありがとうございました!」
「え? 先生? な、なんの?」
「みなさん! このかた、霊能力者の先生で何でもわかるから相談したらいいわよ~」
「えー!!! ちがいます、ちがいます!」
店主はすっかり私のことを霊能力者だと思い込み、みんなに言い触らしたのだ。

違うと否定しているのに、いつのまにか私は霊能力者にされてしまった。

―― 困ったな、どうしよう~。
次々に見てもらいたいと言って、人が寄ってくる。
「ごめんなさい。できませんので!」と断る。
「なんでこの人だけ見て、ずるいわ」と初対面の客に言われた。
「私たちにはできないっていうの!」別の客にも言われた。
どんどん人だかりとなり、私は根負けして趣味でやっていた占いをすることにした。
無料だったこともあり、うわさがうわさを呼び、人がどんどん増えて帰れなくなった。
気づけば、もう夜だった。

次の日、家にいるとチャイムが鳴る。
インターホンで確認すると、あのリサイクルショップの店主だ。
ドアを開けると、なんと、ドアの前に数人の人が並んでいた。
「占いお願いします」
「え! なんで、家に来るの? 困ります、占いはしてませんので!」
そう、きっぱりとお断りした。
「お店で紹介されて来たんだからやってよ!」
「それは、困ります!」
数人の人ともめていると、隣の人が出てきて「うるさいんだけど!」と、怒鳴られた。
もめたくないのでお店に行くことを約束し、帰ってもらった。

私は腹を立てながらリサイクルショップへと向かった。
到着するなり、私は店主に怒鳴った。「どういうことですか! 困るんですけど!」
「あら、宣伝してあげたんじゃないの」とまったく悪びれる様子はない。
仕事でもないのにたくさんのお客を無料で見ることにされてしまう。

そんな中で、あるお客さんが言った。
「ボランティアじゃあるまいし、お金、私は払うわよ。みんなも払ったほうがいいんじゃないの?」
みんなは無言となった。
「じゃ、私は3千円払うので、ここから見てもらう人は3千円払ってくださいね」
そう言うと、その人は私にお金を払い、みんなからお金を払うよう仕切り始めた。
現金なもので、お金が絡むと一気に人は退散する。少しずつ人が帰り始める。

「ありがとうございます」私は彼女にお礼を言った。
「いえいえ、たいへんでしたよね」
「これからどれくらい続くかと思うと不安だったので本当に助かりました」
私たちが話していると、その光景を店主がすごい形相で見ていた。
—— こわっ……。
私はもう二度とここに来るのはやめようと思ったのだが……。

(つづく)

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